「お薬」の目覚しい進歩で今まで治らなかった病気が治ったり、苦痛が和らいだり、病気の予防をすることができるようになってきました。しかし、病気で苦しんでいる多く患者さんが、画期的な効能を持つ新しい「お薬」を待ち望んでいるのも事実です。「お薬」が医療用医薬品として使用できるようになるまでのプロセスを簡単に見てみましょう。
新しい「くすり」を開発するためには、「くすりの候補」について試験管の中での実験や動物実験により、病気に効果があるかどうか、人に使用しても安全かどうかを調べます。ただ、動物と人では体のしくみが違うのでこの「くすりの候補」の開発の最終段階では、健康な人や患者さんの協力によって、人での効果と安全性を調べることが必要です。
人での有効性や安全性について調べる試験を一般に臨床試験と呼んでいますが、「くすりの候補」を用いて国から「くすり」として承認を受けるために行う臨床試験のことを『治験』と呼んでいます。このように、一つの薬が開発されるまでに多くの人が関わり、多くの時間を費やされ、厳密な試験を繰り返して、ようやく私達が安心して使用できるお薬になるのです。
私たちが今、薬局から処方されて飲んでいる「お薬」もすべて治験を経て承認されたものです。つまり、過去に治験に参加された多くの患者さんのご厚意とご協力によって創られたものなのです。
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